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Stay hungry, stay foolish.

2005年のスタンフォード大学卒業式でのスティーブ・ジョブズの「伝説のスピーチ」での最後の締め括りの言葉です。

ご興味のある方は、
インターネット上の動画ですぐに観れます。

私は事務所で時々、クライアントの若い経営者、経営後継者、幹部の方と観ます。

この度の当事務所の新人研修でも観ました。

伝統的な会計情報から未来を見るには?

現行の企業会計の会計情報は、
原則として過去の情報から作成されています。

(一部に引当金等、見積り計算を要するような例外的なものはあります)

しかし、
決算書の見方を少し訓練すると、
企業の未来の姿も見えてきます。

私は、
いわゆるB/S(貸借対照表)は、
未来を見るために使っています。

「あ~
 この会社は、このままでは先々苦しくなってくるなぁ」
とか、

「しばらくは安泰だ、むしろ資金使途に困っているぞ」
とか、

「これは事業承継が大変だぞ」
とか・・・

会計制度は都度都度(今までもこれからも)
大きく変わりますが、
会計処理によって企業の実態が変わることは全くありません。

ですから、
何を読み取るかという目的をハッキリさせて、
その時その時の制度会計(企業会計)の独特のクセを頭の中で是正すると、
今までの伝統的な貸借対照表も、
この先、変化してゆく制度会計の決算書も、
いずれも未来を見るために意外と有益な情報となります。

それ以外にも、
完全に未来を見るための「意思決定会計」という分野がありますが、
そのハナシはまたいずれ・・・

東海バネ工業株式会社のカンブリア宮殿オンエアに思う その2

先日ブログに書きました東海バネ工業株式会社のオンエアにつき、
さらに続編を書きます。

番組の中で、
現代の名工にも選ばれたバネ職人の梶川信行氏が、
1メートル以上のバネをチョチョッと見ながら
あっという間に1ミリ以下の歪みを修正している場面がありました。

梶川氏は、この道45年。

その作業している姿を、
これまたこの道20年以上のバネ職人達が
技術を盗むべく真剣に観ながら
「私達には、この歪みは分からないんです」
と言っていました。

実は、私ども会計事務所も職人的な世界です。

センスと経験のある会計士は、
初めて訪問する会社でも入口から応接室に通される僅かな間だけで
かなり正確にその会社の「歪み」を感じ取れることが多いです。

さらに、
その会社の工場やオフィスを少し観たならば、
ほぼ確実にその会社の歪みを正確に把握できます。

ただ、バネのようにあっという間に修正できませんが・・・

梶川氏は、バネの歪みを修正するために、
自作の独自ツールを使用しています。

ここにも会計事務所に通じるものがあります。

クライアントの歪みを正確に素早く把握し、
効果的な独自のツールを用いて修正していく。

梶川氏の姿を観ながら、
「我々もこうあらねばイカンなぁ」と、
襟を正した場面でした。

東海バネ工業株式会社のカンブリア宮殿オンエアに思う

去る2011年6月23日に、
当事務所のクライアントである東海バネ工業株式会社(実名公表は了承済み)が
カンブリア宮殿にてオンエアされました。
周辺の多くの方々からは「感動した」という感想を直接間接に聞きました。

しかし、
私個人としては「物足りない」という感想です。

ほかにも東海バネ工業の凄い部分は山ほどあるのに・・・

確かに、当日のオンエアでは、東海バネ工業の最も凄い部分を
1時間の放送枠の中に上手に編集して収めているとは感じました。
その編集能力、構成能力は見事です。

できれば、カンブリア宮殿に東海バネ工業続編、続々編を望みたいです。

例えば、

・平均受注ロット5個を維持継続し利益を確保するために、
 どれほどITを駆使しているのか。

・先代の経営者の経営方針から大転換するにあたり、
 今の渡辺社長にどれほどの圧力があり、どのようにそれを捌いたのか。

・昭和53年の既存設備廃棄にあたり、
 どのような事前事後の戦略的行動がなされたのか。

・納期遅れほぼゼロを毎年継続するために、
 在庫やITにどのような工夫をしているのか。

・経産省のIT企業100選に選ばれるほどの
 ITを駆使する企業になったキッカケと、その実施の歴史はどうなのか。

・「東海バネしかできない」技術を維持継続するために
 渡辺社長は今何を見てどう動いているのか。

・「従業員のモチベーションを高める」ために、
 啓匠館や技術検定制度以外にどのようなことがなされているのか。
 
・自社の業務とは直接に関係ない事象
(工場見学の受入れや、他の経営者との関わり等々)に、
 どのようなスタンスで取り組んでいるのか。

・今後、短期・中期・長期的にどのような方向性を考えているのか。

等々等々・・・

まだまだここに羅列するネタはあるのですが、
この辺で止めておきます。

東海バネ工業では、
上述のようなテーマに関して、
どれも見事で明確な回答があります。

それを知っている私としては、
どうしてもカンブリア宮殿のオンエアを「物足りない」と感じてしまいます。

マスメディアに流れる情報はエッセンスではありますが、
その裏には膨大な思考と実践があります。

私は立場上、守秘義務があるので話せませんが、
ご希望いただいたら渡辺社長を紹介しますよ。

呼吸と出入口

先日、
あるお寺のご住職から聞いた話です。
(そこのご本尊は毘沙門天)

「まず自ら何かを差し出さないと、得られるモノはない」

つまり、
「出入口」と書くのは、
まず「出る」のであって、出てから「入る」という順序である。
決して「入出口」とは書かない。

また、
「呼吸」も、
まずは「呼ぶ」(「息を吐く」)、そして「吸う」という順序で、
人は産まれたときにまず「呼ぶ」(息を吐く)、
そして、
人生の最期に「吸う」つまり「息を引き取る」という。

という内容でした。


経営も同様で、
何か新しい改革を断行するとき、
何か新しい方向性に向かうとき、
何か新しいモノを産み出すとき、
順序として、
まずは何かを廃棄する、手離す、差し出さないといけません。

それは、
大口の得意先かもしれないし、
既存の技術かもしれないし、
既存の設備かもしれないし、
古参の従業員かもしれません・・・

まずは肺の中の空気を全て吐き出してカラッぽにしてから、
新鮮な空気を吸い込むという、深呼吸の手順です。

深呼吸は頭の中の通りにできますが、
経営改革を深呼吸のように実行するのは
先行きが見えないだけに恐いですし、
感情も絡みますし、
関係者も多数になるだけに、
実に実に大変です。

それでも実行しないと、
結局、息を吸ってる上にまた吸うことになり、
企業も「息を引き取る」ことになってしまいます・・・

この「手離す決断」
これこそが経営者の仕事のうちの一つでしょう。

氣を発すれば・・・

将棋の米長邦雄元名人が名人位を獲得する前に、
自宅を改造して
「米長道場」として若手プロ棋士の自由対局の場を提供し、
自らもその自由対局の中で研究していたというのは有名な話です。
そして、その「米長道場」が史上最年長名人たる米長名人誕生の原動力となりました。

米長元名人は著書で、
「米長道場は、主宰者が必ずタイトルを獲るという強い氣を発していたから
 強い若手が集まった。
 もしも主宰者が氣を発していなければ、
 いくらご馳走や酒を振舞っても誰も来ない。」
という意味の事を書いています。

これはドキリとする記述で、
企業体も(会計事務所も)、経営者が勢いのある強い氣を発していなければ、
給与水準だけ高くしても強い人は集まらない、
と指摘されているような気がします。

しかも、
自分が強い氣を発しているだけではダメで、
若手が腕を磨く場を提供したり、
自ら子供ほども年齢の違う若手や自分の弟子に教えを乞う真摯な姿勢等々、
他の条件も揃って初めて強い若手が集まるという逸話です。

逆に、
組織のトップがヨレヨレだと
強い若手プロ棋士、つまり自らも将来タイトルを獲るような若手の人材は集まらず、
ヨレヨレの人材ばかりになって組織も弱体化するでしょう。

本日も、前日のブログと同じ結論になってしまいました。
まずはやはり、己(自社、経営者)の姿勢が大切。
ということですね。

清濁併せ呑めません

当事務所は先客万来を目指して、
直接には業務に関係ない方の来所も
大歓迎で営業時間中でもお越しいただいています。

会計事務所はサービス業そのものですから、
我々は多くの方と会うことは厭いません。

事務所のハコも、
そのようなスタンスで、
「見てください!」
という方向性のハコにしております。

ただ、
そうしておりますと、
たまには当事務所と全く違う方向性の発想を持った方もお越しになります。

それはそれで出会いを楽しんでお引き取りいただくのですが、
「類は友を呼ぶ」とはよく言ったもので、
殆ど方向性の違う方のご訪問はありません。

私としては清濁併せ呑むような、
間口を広く開けた状態のつもりなのですが、
自然と方向性の違う方は淘汰されてしまいます。

本日、
日本公認会計士協会近畿会の「平成22年度 年次研究報告書」が届き、
その中に「企業及び非営利法人における反社会的勢力に対する防御策」というテーマがありました。
主として総会屋や詐欺に対する企業の防御策がテーマですが、
そこに、
「全法令を遵守する」という姿勢を貫いて取引をしていくならば、
自然と取引の相手方から反社会的勢力が排除されていく。
という意味の記載がありました。

まずはやはり、己(自社、経営者)の姿勢が大切。
ということですね。

復興

最近のJR神戸線内にて、

震災の影響により電車の保守部品が確保できないために、
この4月より一部の電車の運行を取りやめる旨、
また、
4月から実施予定だった女性専用車両の終日実施を延期する旨、
(今までは特定の時間帯のみ実施)

以上のようなアナウンスがなされていました。

まだまだこれからも、
思いがけない影響があちこちに出てくるでしょう。

今の関西の企業にできることは
各企業によっていろいろあるでしょうが、
いずれにしても目の前の本業に一心に専念して
自社を維持存続・発展させることは復興の支援になると考えます。

先日、
当事務所のクライアントの集まる会合がありました。
当然に、各社の本業は全くバラバラで、
バネ製造、不動産賃貸、大衆娯楽、工作機器商社、靴メーカー、金属加工業、飲食チェーン等々等々・・・
他のクライアントも含めて、
全ての仕事が復興に必要な仕事であると痛感しました。

当事務所も、
クライアントが良い仕事ができるよう支援することが
復興の一助になると考え、
目の前の本業に一心に専念し、良い仕事をします。

東北関東大震災

被災者の方に心よりお見舞い申し上げます。

阪神大震災の被災者の1人として、
表現する言葉すら浮かびません。

生き残られた方には、
この先の長い人生を精一杯生きていただきたいと願います。

イノシシ

 先日、独りで六甲山に登りました。
 たまたま前にも後ろにも他の登山客がいない状況で、「今日はいつもと違って静かやから、独りで考え事をしながら登れて有り難い」と感じていました。
 六甲山は野生のイノシシが数多くいて、あちこちに「イノシシ注意」の看板があります。
 私自身は六甲山で、遠くの藪の中を1匹のイノシシが走り去る姿や、遊戯施設の金網の外の山中での群れや、土留め壁の上等々、自分とイノシシとの間に「安全地帯」がある状況でしか見たことがなく、それほど危険を感じていませんでした。

 しかし、先日は、カーブした登山道を曲がった出会い頭に1匹のイノシシと出くわしました。
 小さなメスでしたが、周りに人はおらず、完全にお互いが正面を向いた出会い頭の状況で、双方ともジッとフリーズしました。
 私との距離はおよそ3メートル。
 野生の獣とサシで、至近距離で、正面から向き合うのは初めてでした。
 咄嗟に「これは私が下手に動いてイノシシが突進してきたら大怪我をする」とフリーズしました。
 そのまま正面を向き続けながらジリジリと動き、最も近くにあった細い木の後ろに回りこみましたが、まだお互いに正面を向き合ったままです。
 「こりゃあ、動くに動けないな」と困ったまま、10分くらい静止してたでしょうか・・・
 もっともっと長く感じましたが・・・
 私が来たのと逆方向(イノシシの後ろ方向)の遠くから若い男性集団の登山客の声が聞こえてきました。
 私は一応、安全のために「イノシシがいますよ!」と、イノシシから眼をそらさずに叫びましが、日本の若い男性は集団になると勇敢で「あ、男前のイノシシがおる」と遠くから叫んではしゃいでくれたので、当のイノシシはゆっくりと藪の中に消えていきました。

 さて、
 その後の下山時のことです。
 自分でも驚いたのですが、登るときには全く気づかなかったイノシシの足跡や、地面を掘り返した跡が、勝手に次々と目に入るようになっているのです。
 どうやら私の五感が、イノシシとの遭遇という恐怖体験でフルに覚醒し、意識しなくても敏感に危険を事前察知するようになったようなのです。

 「リスク」というものは、このように実体験として恐怖を感じて初めて事前に察知できるようになるものであって、頭で分かっているだけでは五感は覚醒せず、事前察知できるものではないと痛感する出来事でした。
 経営も同じく、恐怖を伴った「リスク」を実感したことのない業績好調の経営者は、イノシシと実際に対峙したことのなかった私と同様に、先々の経営のリスクに敏感になれない、つまり「リスクヘッジのためのコンサルティング」なぞ事前に(好調時に)我々に依頼してくるはずがない、と妙に納得する出来事でした。