先日、
あるお寺のご住職から聞いた話です。
(そこのご本尊は毘沙門天)
「まず自ら何かを差し出さないと、得られるモノはない」
つまり、
「出入口」と書くのは、
まず「出る」のであって、出てから「入る」という順序である。
決して「入出口」とは書かない。
また、
「呼吸」も、
まずは「呼ぶ」(「息を吐く」)、そして「吸う」という順序で、
人は産まれたときにまず「呼ぶ」(息を吐く)、
そして、
人生の最期に「吸う」つまり「息を引き取る」という。
という内容でした。
経営も同様で、
何か新しい改革を断行するとき、
何か新しい方向性に向かうとき、
何か新しいモノを産み出すとき、
順序として、
まずは何かを廃棄する、手離す、差し出さないといけません。
それは、
大口の得意先かもしれないし、
既存の技術かもしれないし、
既存の設備かもしれないし、
古参の従業員かもしれません・・・
まずは肺の中の空気を全て吐き出してカラッぽにしてから、
新鮮な空気を吸い込むという、深呼吸の手順です。
深呼吸は頭の中の通りにできますが、
経営改革を深呼吸のように実行するのは
先行きが見えないだけに恐いですし、
感情も絡みますし、
関係者も多数になるだけに、
実に実に大変です。
それでも実行しないと、
結局、息を吸ってる上にまた吸うことになり、
企業も「息を引き取る」ことになってしまいます・・・
この「手離す決断」
これこそが経営者の仕事のうちの一つでしょう。