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海島綿

前回ブログに引き続き、
かつて私がギフトさせていただたシリーズです。

海島綿のバスタオル

これは、
数年前に、あるクライアントの役員の方の快気祝いで贈らせていただきました。

海島綿(かいとうめん)は、
いわゆる「繊維の宝石」とか「クイーン・オブ・コットン 」と言われている繊維です。

日本のテレビや雑誌メディアの言う「セレブ」ではなく、
ホンマの王侯貴族の連中が使っている綿です。

英語ではシーアイアランド・コットン(Sea-Island Cotton) と呼ばれていて、
つまり、海島綿は、まさに直訳 !

カリブ海の西印度諸島の一部だけで産出されるコットンで、
16世紀の後半にイギリスがスペインの無敵艦隊を破って
西印度諸島を支配した時にイギリス王室に献上されたものです。

極上の品質で、かつ、産出量が非常に少なく、
当時のイギリスの王侯貴族はこの海島綿を門外不出のコットンとして王室の専有品としてしまったため、
ずっと世に出ていませんでした。
(葉巻でのコイーバみたいな感じですね)

日本に初めて入ったのは1975年。
今でも「協同組合 西印度諸島海島綿協会」が、配分と品質・縫製管理を厳格に取り仕切っていて、
そこの組合員の商品以外はニセモノ、という徹底ぶりです。

その特徴をネットで調べてみると、
・超長繊維のために撚りの回数が多いので、繊維そのものがふっくらしていて、カシミアのようになめらかでソフトな肌触りで、しかも繊維の中空の部分が他のコットンよりも肉厚なので吸湿性が優れている。
・他のコットンよりも光の反射率が50%ほど高いので、コットンは本来あまり光を反射しないのに絹のように輝くような光沢を放つ。
・普通のコットンの繊維に含まれている油脂分は0.34%くらいなのに、海島綿は0.65%と多いので、触った時のぬめり感が良くなり、ひとたび身に着ければ、他のコットンは身につけたくなくなる程快適で贅沢な着心地。
・しかも、上記のような特徴は人工的な加工ではなく、天然の特性として備わっているため、洗濯を繰り返してもそれらの性質が損なわれにくい。

という強烈なモノでした。

日本で市販されている海島綿を使った製品をいろいろ探したのですが、
最も大きいものでバスタオルまででした。

タオルケットとか、ベッドシーツとか、
大きなモノは今でもイギリスの王侯貴族しか入手できないのでしょうか・・・

我が家も1枚だけバスタオルを入手しましたが、
その使い心地たるや・・・
・・・使うほどに孤高・伝統・希少という言葉を感じる、襟を正したくなるほど凄いモノでした。

綿のバスタオルなぞ今やコモディティですが、
そんな中でもやはり飛び抜けて凄いものはあります。

会計事務所も然り。